助産師に求められる看護技術を考える

 助産師になろうとも、基本的業務は看護師とほとんど変わりません。助産師としての仕事をあげるとしたら、分娩介助やへその緒の切断などです。
 産前産後の看護というのは助産師も看護師もする仕事ですから、その知識と技術は基本的に看護師の延長線上にあるもの。その実力をいかに身に付け、向上出来るかによって、その仕事能力への評価は大いに変わるといえるでしょう。
 では、この看護技術の身に付け方や向上は、どうやってつけるべきかご存知ですか?平たくいうと、この質問自体には答えはありません。
 なぜかというと、その勉強の仕方や技術の身に付け方というのにはどうしても個人差があるものであり、一概にこれ!という答え方はしがたい為です。
 そこで今回は、経験や研修、仕事能力などの点を踏まえて、あらゆる面から看護技術の身に付け方についてお話したいと思います。

 まず、経験は新人、中堅、ベテランといったその期間によって実に様々。そしてその経験は看護経験だけでなく、家庭環境や生活環境などの違いから、意外にもベテランより仕事の出来る新人がいる事も少なくはありません。いわば、歳だけベテランといった方達ですね。
 これは否定的な意味では決してないので悪しからず。結婚や出産といった女性特有の人生イベントによるものですから、致し方のない事。ですが、残念ながら未だにそのブランクというものに注目するという職場は多いもので、経験ありきで募集をかけるという事が多々あります。
 そして、そんな様々な事情によってブランクなどがあり経験が心許ない人達の為にあるのが研修です。
 研修は、その病院や地方自治体、助産師会などの一環が主催している事が多く、その内容は注射や点滴など看護師としての基本業務を主に、助産師の専門分野の知識を際立たせる為のもの。
 自身の実力がどれほどのものなのか見る事も大事だといえますし、周囲とのディスカッションなどをする場としてもとても大事な場であるといえるでしょう。

 助産師の仕事は、ただ看護師の延長線上にある仕事ではありません。
 産前産後の妊産婦を支える為の職業としてとても大事で、また自らが妊娠や出産を迎えた時の心構えとしてはとても有意義な経験として役立つものです。
 その為にも、仕事を始める際にはとても大きな責任とやりがいがあるという事を自覚して、技術向上に誰よりも力を入れる気持ちをつくる事が大事だといえます。